当協会では、雨水管理計画の業務執行の際のハンドブックとして「下水道雨水管理計画策定マニュアル」を作成し、平成24年11月に公表しました。本マニュアルの中で、雨水全体計画の前段として「下水道雨水基本構想」の策定について提案しております。
従来、下水道事業における雨水整備は、対象区域を一律の整備目標で整備を進めることとしてきました。しかしながら、近年は、「選択と集中」の観点で雨水整備の優先度が高い地域を中心に浸水対策を進めており、また、「生命の保護」、「都市機能の確保」、「個人財産の保護」の観点から、その機能を保全するために許容できる浸水深を対策目標とするなど、地域の状況に応じた目標設定が進められています。
このような状況のもと、下水道雨水基本構想は、自治体における雨水排水の役割分担を明確にし、雨水対策事業の展開を示すもので、雨水全体計画の前段として、「選択と集中」の観点から計画区域や目標、整備順位を検討し、雨水施設の整備方針を明確化することを目的としております。
雨水基本構想の成果は、「下水道事業範囲の明確化」「地域に応じた雨水整備の目標設定」「対策方針の明確化」「下水道雨水基本構想マップによる雨水整備方針の可視化」です。
今回、「下水道雨水基本構想」業務の執行及び運用が適切かつ円滑に推進されるよう、当協会で独自に標準仕様書(案)を作成し公表する次第です。
地方公共団体及び建設コンサルタントにおかれましては、本標準仕様書(案)を活用され、適切かつ円滑な事業の実施に役立てていただきますようよろしくお願い申し上げます。
平成27年12月11日
一般社団法人 全国上下水道コンサルタント協会
下水道委員長 牛原 正詞
技術・研修委員長 池田 信己
資料 | 備考 |
---|---|
雨水基本構想策定業務委託 仕様書・標準歩掛(案) | ・平成27年6月 標準的業務内容に業務全体の照査を追加 ・平成27年11月 標準歩掛りを追加 |
下水道雨水基本構想策定の提案(詳細版) |