下水道を取り巻く環境が変化する中で、今後も下水道サービスを継続的かつ安定的に提供するため、健全な事業運営が求められます。一方で、人口・水量の減少等に伴い、遊休資産等も増大するものと考えられるため、ダウンサイジングやスペックダウン、施設の統廃合、運用方法の見直し、新技術の導入など、様々な工夫を取り入れていく必要もあります。また、下水道法等の改正にあわせ、 事業のより一層の効率化・事業効果の見える化・事業の持続的な運営等を目的として、下水道管理者は、その他の書類として、「施設の設置に関する方針(様式1)」等を作成することになっています。
さらに、近年は新たな事業計画、ストックマネジメント、企業会計への移行、経営戦略など、期限が切られた計画策定にも取り組んでいく必要がありますが、技術者が少ない都市では、効率的・効果的な事業運営を進めていくことは難しい状況で、下水道事業は、事業の進捗状況や執行体制、財政状況等、事業者ごとに経営状況が異なるため、都市の状況に適した事業運営を進めていかなければ問題を解決することは困難です。
そこで、水コン協では、下水道事業の将来像や各施策の優先順位(ロードマップ)を明確する業務を「下水道ビジョン」として提案します。なお、まとめるに際しては、国土交通省下水道事業課との意見交換においてテーマとして取り上げ、アドバイスをいただいたところです。
この下水道ビジョンを策定することで、事業計画の施設の設置に関する方針(様式1)や財政計画書(様式3)への反映も可能で、事業計画がスムーズに策定できます。その他、ストックマネジメント実施方針、経営戦略にも活用することができます。さらに、定期的に下水道ビジョンを見直すことにより、各種計画の事業進捗を評価するなど、事業全体のPDCAチェックを行うことが可能となります。
下水道ビジョン等を活用して、下水道が果たす多様な役割や機能、現在の事業状況と今後の事業計画等について、利用者と下水道管理者が情報を共有し、相互に理解を深めて地域全体の価値観を高め、透明性が高く効率的・効果的な事業運営を目指していただくことを期待しております。
下水道ビジョン策定業務の説明資料(2017年4月) |
下水道展’17東京の併催企画説明資料(2017年8月) |